歯を失う大きな原因は、虫歯と歯周病です。虫歯の予防法は、ほぼ確立されているので、歯科医院での専門的なケアとフッ素を効果的に利用すれば、虫歯による歯の喪失を防げます。
歯周病は、細菌感染で歯肉に炎症が生じて、歯を支える骨(「歯槽骨」といいます)が吸収される病気です。進行すると歯が抜けてしまいます。 現在の治療法では、歯槽骨を完全に元通りにすることができませんが、歯周病の進行を止めることは可能です。歯槽骨を一定程度回復させることができる「歯周組織再生療法」は実用化されていますが、適応症が限られるので、万能ではありません。将来的にはiPS細胞を用いた再生治療の実用化が期待されます。
歯に少しの動揺があっても、歯科医院で専門的なケアを定期的に受けることで、歯を長持ちさせることができます。
動揺がある歯の場合には、接着性のプラスチックを用いて固定をして、歯周病治療を実施します。歯根の中に歯周病細菌が侵入している症例では、歯根の中の消毒(歯内療法)も実施します。 重い歯周病は、咬合調整+SRP(=スケーリング・ルートプレーニング)+抗菌薬の適切な投与で、症状が改善する場合があります。
歯周組織再生療法も実施しますが、適用症例が限定されます。歯周病が進行してからの治療は困難な場合が多いため、歯周病が気になる方は早めに来院されることをおすすめします。
日本歯周病学会のホームページには歯周病治療のQ&Aがまとめてあります。是非ご覧ください。
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